2018/04/29 読売日本交響楽団のロシアプログラム

第207回日曜マチネーシリーズ

2018 4.29〈日・祝〉 14:00  東京芸術劇場

指揮=アジス・ショハキモフ

ピアノ=ガブリエラ・モンテーロ

ムソルグスキー(リムスキー=コルサコフ編):交響詩「はげ山の一夜」

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18

チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 作品64

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GW初っ端はロシア魂炸裂する濃厚コンサートへ。

とっても若いアジス・ショハキモフは、≒アンドレア・バッティストーニといった風貌に演奏。総じてダイナミックなアゴーギクとディナーミクが満載で非常に楽しかったです。

それもただ単に若気の至り的な表現ではなく、盛り上げ方がうまく、考えられた表現だという気がしました。メロウで甘々なピアノコンチェルトとシンフォニーのドラマティックな物語が映画でもみているかのように感じられました。

ガブリエラ・モンテーロのピアノは余裕綽々といった様子で、オケにも負けることなく堂々たる迫力。特筆すべきは彼女のアンコール。なんと、客席にリクエストして、なにか一節歌えという!それをもとに即興すると…。

ほぼ満員2000人の東京藝術劇場。すると1人のおじいさんが声を上げた…しかし、いまいちモンテーロに伝わっていない…すると、後方から声楽かなにかをやっている人と思しき高らかなソプラノボイスが滝廉太郎の「花」を歌った!

そうして始まった「花」の即興曲はところどころバッハ風でなんとも爽快、ラフマニノフで魅せまくった超絶技巧が支えて輝く音の粒。こんなアンコールもたのしいもんです。

チャイコフスキーは、曲想とショハキモフのセンスがピッタリあっていたようでもうなんか音が弾け飛んでいました。読響も非常にパワフルで、タテにもヨコにも動きまくるショハキモのイメージをしっかり描いていました。

4楽章、見事にドラマを展開させてフィナーレは圧巻の迫力、重なり合って格調高く響くラッパの金色の音色!まさにクライマックスという感じ。そしていつにもまして力強く刻むティンパニ。見どころ満載のティンパニーが…なんと左手のバチを落とした!

しかし、さすがはプロと言うべきか、要所は片手で叩いてキメる。おかげで曲の流れは止まらず、なにか抜け落ちた感もなく、貫禄たっぷりに大団円。カーテンコールで立った時、左でバチをくるんと一回り。



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